あの日あの時、あの場所で
大好きな絵本作家の一人、荒井良二さんの絵に思わず手に取った、
『あの日からの或る日の絵とことば』(筒井大介編 創元社)
絵本作家32人による、3.11をめぐるエッセイです。
大きな災害に見舞われた平成。
大雨、大雪、猛暑、地震、数々の自然災害が起こりました。
どうか平和で平穏な、令和であって欲しいと願わずにはいられません。
本にエッセイを寄せた一人、絵本作家のきくちちきさんの生まれは北海道。
エッセイの中にありましたが、大自然の中で育った彼は、自然の美しさも知っています。
同時に、自然の恐ろしさも知っている。
自然を敬い、そして一緒に生きていくんだ、と実感しました。
この本のタイトルを見て、思い出したのが、毎年発行されていた母校の小学校の文集に載った、
同じクラスの男の子の詩。
確か、野球部で、ヒットを打った時のことを綴った詩だったと記憶していますが、
その詩の最後のフレーズが、今まで一度も思い出したことなんてなかったのに、
むしろ何故せのフレーズが出てきたのか不思議なくらい、記憶になかったのに、
ふと出てきたと思ったら、いろんな記憶がズルズルと溢れてきました。
「あの日あの時、あの場所で」
起きたことを、決してこの先忘れないだろう、というような内容が続いたはずだと記憶しています。
あの日あの時、あの場所で。
記憶や意識は人それぞれ違うけれど、
あの時感じた感情や想いや、そして事実を、忘れることはない、忘れてはいけないと思っています。