Buch(ブーフ) 〜絵本と子どもとほのぼの暮らし〜

絵本や読み聞かせに使えるアイディアの紹介、子どもとののほほんな日々の暮らしの紹介します。

卒業前の読み聞かせで伝えたかったこと。

今年も、3月の朝の小学校の読み聞かせの担当をさせてもらい、

今朝、へき地の小学校へ向かいました。

 

20分という読み聞かせの時間をどう使うか、どの本をどの順番で、どういう切り出しで

どう繋げて読むか、今回はギリギリまで迷いました。

卒業生を含む高学年の読み聞かせ。

朝の始まりの時間だし、楽しく愉快に過ごしたい気持ちと、やっぱり私が読んでみたい本、

読んでいる私自身が、この絵本でいろんな気持ちが湧いて、みんなと共有したいの、と

言える本を読もうという気持ちと。

 

結局、最初の掴みは、ユニークな物語で始め、昨年に引き続き読みたかった3.11の絵本を

挟み、最後は長谷川義史さんの『東北んめえもんのうた』で、この町のんめえもんは何だろうねえ、

じゃがいも!牛乳!しいたけ!を、んめえもんの歌のリズムに乗せて歌って終わりました。

 

絵本で何かを伝えたい、なんて、大したこともできないし、絵本で何を感じるかどう感じるかは、人それぞれで、やっぱりそれを強要したくはないし、だから、読んだ時間が楽しく居心地よく感じてもらえたら、それでいいんだと思っているけれど、3.11の絵本を読む時は、毎年特別です。

「いのち」に関しては、やっぱり伝えたいものがある。

今年選んだ絵本は、『ハナミズキのみち』(淺沼ミキ子/文 黒井健/絵 金の星社)でした。

いのちの繋がりを祈る絵本。津波で自身の息子さんを亡くした淺沼さんの、祈りを込めた絵本です。

昨日の当たり前が、今日も続くと限らないこともある。

だから、自分のいのちを、周りの人たちを、1日1日を大切に生きてほしい。

卒業するみんなの最後の朝の読み聞かせで、どうしても伝えたかったことです。

 

読み聞かせは、うまく子どもたちの雰囲気に溶け込めた!とガッツポーズのときもあれば、

その反対のときも。一喜一憂。

でも、本を通してどの子どもたちと出会う瞬間もとっても嬉しいし、その時間がすごく好き。

春からまた、ひとつ大きくなった子どもたち、新しく入ってきた子どもたちとの出会いがとっても待ち遠しいです。